これ絵本なのかな?


タイトル:Michi みち 
著者:
junaida
紹介者:菅原 裕
内容紹介:Amazonより
表紙をめくると、背中を向け、足を踏ん張って立つ子どもがいる。好奇心と不安がないまぜになったその背中は、自分の知らない世界に向かって、小さな一歩を踏み出そうと決心している。

行く手には、まっ白な道が、どこまでものび、その先には、誰もみたこともないような、ふしぎな町の数々が、待ち受けている。それぞれの町には、それぞれの時間が流れている。

暖かな日ざしが降りそそいでいたり、月明かりに照らされていたり、晴れていることもあれば雨が降っていることも、そう、雪だったりもする。そこには人も、そうでない生きものも、生きものじゃないものだって暮らしている。

彼、彼女と一緒に道を進み、旅をするように、この文字のない本のページをめくってみてください。次々に現れる、ため息のでるような色彩と繊細なタッチで描かれた夢のように美しい町のすみずみに目をこらせば、秘められたたくさんの、そして自分だけの物語が見つかるかもしれません。

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一番最近出会った紹介したい本がこちらです。これね、まずは読んで見て下さい。

へぇぇ。なるほど… すごいな。

これなんだと思いますか?本のジャンルとしたら?

本のジャンル?うーーん、たぶん単純に言ったら絵本なのかな。

これ絵本なのかな?

ジャンルとして分類するなら絵本なのかなと思いますけど、どういう感じですか?

地元の大好きな本屋さん・平井書店で平積みされてて。これ2300円の消費税なんですよ。なかなか値段がするから、欲しいと思ったけど最初買えなくて。でも、ある日書店くじが100円当たったんですよね。「よし100円当たった! 在庫がなくなっちゃう前に!」と思ってこの本を買いに行ったんです。

ちょっと調べてみたら「絵本」ってホームページに書いてあるんですけど、絵本じゃないでしょって。

そうですね。うん。

言葉は一切ない。

いま、ずっと同じ向きに読んでたじゃないですか。正しい読み方とかないと思うんですけど、本の開き方も右からでも左からでも読み始めることが出来て。男の子と女の子の旅があって。

本の中のいろんな仕掛けに気づいたのが、4回目くらいに読んだときで。これによって何を表現したいのか?作者の意図通りにつかめているのか分からないんだけど、大好きです。この本。

よく思うんですけど、今こうして菅原さんと会ってお話ししていることってすごいことじゃないですか。

だって、2週間前まで知らない人同士ですからね。

そうなんですよね。初めて、知らない人同士、人生の交差点というかで出会ってお話しするわけじゃないですか。なんかそういうことをちょうど自分が今作っている本と人というサイトでもテーマとして考えていて。

例えばこの本に描かれている道で、ちょっとどっかを曲がったりとかするだけで、もうこの男の子と女の子が出会う事はないじゃないですか。

うん、そうなんですよね。

1ページ1ページに丁寧に描かれている世界には、いろんな人がいて、暮らしがあって。

そうなんですよ。生活があって。

その中には出会わないで終わる人、すれ違うだけの人たちがいて。だけど、本当にこういう風に人って出会うよな、ってことを読みながら思ってました。

これね、なんか何回見ても飽きなくて、いちいち本の中の道をたどって「ここ行くとこっちか!」みたいに迷路みたいに遊んでる自分がいて。色彩的にも美しいので、それも無条件に好きな理由の一つなんですけど。これはね、買って良かったなって思いました。

だけどね、これは説明しずらいんですよ。実物を見てもらないと。

確かにそうですね。文章は一切無いし、見ないと分からない不思議な本。

タイトルのところも平仮名だったり、英語だったりするところもなんでだろうな?って考えたり、人に見せると、作者を男性と思うか女性と思うかも全然違ったりして、そういうところも面白いです。


お話しを伺った感想を少しだけ:

菅原さんが最後に紹介してくれた本は、本と人ではすごく紹介しづらい一冊でした(笑)。1ページずつページめくりながら、丁寧に描かれた世界の中で起こる出来事を想像して、何度も楽しみたい本です。こういう「ページをめくる」という行為自体が、物語の魅力になっている本って珍しいですね。少し子供が大きくなったら一緒に読んでみたいなと思いますし、大人が読んでも、読む人によってそれぞれ違った発見が楽しめる一冊だと思います。


菅原裕さんが紹介してくれた大切な本の一覧はこちら

1,「長くつ下のピッピ
2,「ワーズワースの冒険
3,「リトル・トリー
4,「邪宗門」「大本襲撃」 「放送禁止歌
5,「錦繍」「手から、手へ
6, 「Michi みち