タイトル:ワーズワースの冒険
著者:寺崎 央
紹介者:菅原 裕
内容紹介:(Amazonより)
何を着るか?何を食べるか?どこに住んで、趣味は何で、旅行するならどこに行くか?本書では快適生活のための16のお話を進呈いたします。銀座の洋食が男の成長に与える意味、ヘミングウェイが猫と暮らしたキーウェストの家へのご招待、ちゃん朝(ちゃんとした朝御飯)を摂る美しい生活、カメラ好きが必ず罹るライカ病、水屋のある一人暮らしの部屋、若い女の子とデーニッシュの甘い関係…道楽精神旺盛なすべての老若男女への贈り物。
「長くつ下のピッピ」のお話しで食べ物が美味しそう!というお話がありましたが、好きな本のポイントして「食べ物」があるんですか?
うん、食べる事がとにかく好き。
あぁ、日常生活でも?
食べるの好きですし、食べるってことについて書かれたものがすごい好きです。池波正太郎が書いた食のエッセイとか大好き。人って人の数だけ趣味とか嗜好があるけれど、 食べるってたぶん、一番共通点の多いものじゃないかな?と思うんですよね。食べ物の話題振っておけばとりあえず話が成り立つだろうって。
「好きな食べ物なんですか?」って聞けばたぶん何か答えが返ってくる。いきなり 「好きな俳優誰ですか?」って聞いても分かんないかもしれないけど。ていうところで、食べ物が好き。だから食べ物のエッセイとかが上手い作家は無条件に好きです。
食べ物絡みでこれもそうなんですけど、これもとても古い本で、フジテレビで「ワーズワースの庭で」と「ワーズワースの冒険」っていう番組をやっていたんですよ。これが1995年の発行だから、今から24年前。じゃあ16才頃に読んでるのか。
ドキュメンタリというのか、なんだろう?今の番組で言う「美の壺」みたいな。でも、中身がそんなに高尚じゃない感じです(笑)。
銀座の洋食とか、ヘミングウェイの猫とか、朝ご飯とか、餃子50年の話とかすごく好き。大好きな作家の向田邦子さんが愛した、青山のアンデルセンが登場するデニッシュの話も。
たぶんこれ、プロデューサーの寺崎さん(著者)が一つのテーマをチョイスして、この人の私見がかなり入っているんですけど、焼肉だったら店はここで肉はこうで、みたいな。ひとつの取り上げたものについて語る番組で。
語る感じなんですね?
そう、語る感じです。孤独のグルメでしたっけ?ああいうものの色んなものバージョンみたいな感じ。これはすごい好きでした。文字で読んでも面白いし、TVで見ても面白い。
文章ってこんなに気楽に書いていいんだ!ってびっくりした本でもあります。
これは読み終わってもまた読み返したりするんですか?
もう何回も読んでますね。焼肉天国が一番好きで、 あとこのお粥の回も大好きです。 想像するんでしょうね。頭の中で。 焼肉の回なんて韓国行った事ないけど、ソソカルビとか頭の中でもう何十回も食べてます。
いいですね(笑)。
一人暮らしを18年して、部屋が狭いので本をそんなに置けないんですよ、わたしの部屋。部屋の中の本棚が凄い小さくて。だから入る分しか本が持てないんです。いつも取捨選択が必要で。
本棚の中に入る分しか買えないから、買って読まない本ってすぐ売っちゃうんですね。だけどこれは1995年に買って、何回も引っ越しして、何回も変遷があったけど残ってきた本なんです。
生き残ってきた。
そう、たぶんこれは生き残る人なんだと思います。
お話しを伺った感想を少しだけ:
食べ物や、食べ物を題材にした文章が好きというお話しで、その好きな理由が「食べ物はみんなの共通の話題になるから」という話が印象的でした。菅原さんの大切にしている事を象徴している様な気がします。菅原さんが読んできた数多くの食べ物が出てくる本の中で、1995年からずっと選抜試験を生き残ってきた本…と考えるとすごい競争率ですね。
菅原裕さんが紹介してくれた大切な本の一覧はこちら
1,「長くつ下のピッピ」
2,「ワーズワースの冒険」
3,「リトル・トリー」
4,「邪宗門」「大本襲撃」 「放送禁止歌」
5,「錦繍」「手から手へ」
6, 「Michi みち」